遠距離介護のコツ: ビジネスケアラーのための在宅介護と仕事の両立ガイド

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はじめに – 介護と仕事の両立の不安に対処するために

「私がいない間、大丈夫かな…?」

仕事と介護を両立させるために、立ちはだかる「不安」があります。

それはお仕事などで、ご家族様がいない間、ご高齢の方の過ごし方のことです。

不安が強くなり、仕事や生活スケジュールが乱れると、介護においても、日常生活においても精神的な負担が増えてしまいます。

サニーデイ

力点を置くのが難しい問題だね…

今回は、介護離職をしないための、「時間」を意識したサービスの利用方法についての解説です。

ご高齢の方との同居や遠距離介護のどちらでも利用できるアイデアになります。

このブログをお読みいただくことで、仕事と介護の両立のアイデアが増えれば幸いです。

安全対策 – 独り暮らしのご高齢者のための解決策

安全なキッチン環境の確保

ご高齢の方の独り暮らしで一番受けた相談は、ズバリ、「火の始末」です。

サニーデイ

そりゃそうだよ。一番心配だよ。

不安:火の始末について

高齢者が独りでいる時、特に心配なのが火の扱いです。独りでの調理中に鍋を焦がすリスクがあります。

コロン

福行さんの担当していた方にも、何人かいたみたいですよ。

多くのご家族は、安全のためにガスを止めてしまい、ガスコンロを使えなくすることを選びます。

しかし、代替としての電子レンジや電気ケトルだけでは不便なときもあります。

電気製品は、一見火を使わないので、安心のように思えます。

ところがこれまでの経験では、以下のようなデメリットがあります。

  • 電気コードが部屋のあちこちからつなげられてしまう
  • コードだらけで見た目も悪い
  • タコ足配線になり危険
  • 床に配線が横たわり、高齢の方の転倒につながる危険性がある

解決策:新しいガスコンロへの買い替え

おすすめの解決策は、新しいガスコンロに買い替えすることです。

2008年10月以降のモデルは、空焚きや高温時に自動でガスを切る安全センサーが装備されています。

サニーデイ

最新式じゃなくてもいいんだね。

コロン

価格が低いものでも、2008年10月以降の製品には、標準搭載されているので、安心です。

古いガスコンロがまだ動くとしても、安全のために新しいものにすることを考えてみてはどうでしょうか。

コロン

きっと、おじいちゃんおばあちゃんは、

まだ動くから大丈夫!!

火だってちゃんと見るから!

使い慣れているのが一番だよ!

と言うと思うけど、安全と安心のための買い替えだからと、プレゼントするのもいいと思うよ。

安全と在宅介護の両立

安全センサー付きのガスコンロと、訪問介護の組み合わせで、火の心配を大きく軽減できます。

定期的なヘルパーの訪問により、遠距離介護でも安心感が高まります。

ぜひ検討してみてください。

コロン

ヘルパーさんが毎日来なくても、週に2~3回来てくれるだけで、おじいちゃんおばあちゃんの様子や家の様子もしっかり把握できるので、安心です。

日中の見守り – デイサービスと訪問介護の活用

デイサービスの選び方と時間の調整

例えば ご高齢の方と同居していて、夜間帯は家族で見てあげられるけれど、日中が心配です という方には、デイサービスの利用がおすすめです。

コロン

デイサービスの流れについては以前ブログを書いておりますので そちらを参考にしてください。

利用のポイントとしては、ご家族様が出勤で家を出る時間と仕事を終え、帰宅する時間とデイサービスの送迎でお迎えとお帰りの時間が合わせられるデイサービスがいいでしょう。

サニーデイ

でも、それって、ご家族様の都合でデイサービスを選んでいない?

もし、ご利用を考えているいくつかのデイサービスの「差」が感じられない場合、かつ、ご高齢の方もどこでも良いという場合に、選ぶ要素のひとつと考えて良いと思います。

サニーデイ

もし、出社時間と帰宅時間がどうしてもデイサービスの送迎時間とずれてしまう場合はどうするの?

その場合は訪問介護(ホームヘルパー)をデイサービスの送迎に合わせて来てもらいます。

訪問介護の役割と活用方法

送迎時間30分前にヘルパーさんに来てもらい、「デイサービスの準備とお見送り介助」の身体介護をお願いします。

また、帰りも返ってくる時間に合わせて、ヘルパーさんに来てもらい、「帰宅介助」の身体介護をお願いします。

サニーデイ

ヘルパーさんにはいろいろな使い方ができるんだね。

でも、この場合はご家族様がいない間にヘルパーさんがくるわけだから、ヘルパーさんに勝手に家に上がられるのは嫌じゃないの?

コロン

ヘルパーさんはあくまでおじいちゃんおばあちゃんの介助の役割だから、他の部屋に忍び込んだりはしないよ。

もし気になる場合は、ヘルパーさんとの契約の時に、入ってよい部屋と入るのを禁止する部屋をしっかり伝えておきましょう。

サニーデイ

いずれにしても、ヘルパーさんとデイサービスの合わせ技で、日中おじいちゃんおばあちゃんが独りでいる不安が解消できるね。

夜間も安心 – ショートステイの活用法

特に 遠距離介護の場合は日中だけではなく 夜間も不安だとこともよく聞きます。

サニーデイ

それはそうだよ。

だって 1日24時間のうち デイサービスでカバーできるのは8時間ぐらいでしょ。

仮にヘルパーさんを使ったとしても、さらに 1〜2時間でしょ。

それでは独りの時間の方がずっと長いもんね。

ショートステイの効果的な使い方

日中も夜も 不安の場合には、ショートステイをおすすめします。

コロン

ショートステイについてはこちらのブログに詳しく解説したので、ご覧ください。

ショートステイはただお泊りするだけではなく、効果的な使い方もあります。

  • その方がどのような生活リズムで動く方なのか
  • 朝は何時ぐらいに起きて何時ぐらいに寝るのか
  • 夜は何回ぐらい起きてくるのか
  • 1日3食食べられるのかどうか

などを把握することができたりします。

サニーデイ

この辺りはケアマネジャーさんの腕の見せ所でもあるね。

またショートステイは「ロング」という使い方もできます。

コロン

ショートステイなのにロングという変な言い回しですが、こちらのブログで詳しく解説しています。

ショートステイを長く使うことで 金額的に不安を感じるかもしれません。

ブログでは金額面についても解説しておりますので、参考にしていただければ幸いです。

お泊まりデイの利点と注意点

サニーデイ

そういえば、デイサービスの回では「お泊まりデイ」っていうものも 少しだけ解説してたよね。

お泊まりデイについては、介護保険制度的にはグレーな位置にあるサービスです。

個人的に推奨しませんが、こちらのサービスも使うことで、丸1日みてもらうことが可能です。

お泊り系の介護保険サービスは金額も要チェック

日中も夜間帯も預かってもらうということで、それなりに 金額もかかってきます。

お食事代 やお部屋代が安くなる、「負担限度額認定申請」なども参考に、経済状況に合わせた利用をおすすめします。

コロン

負担限度額認定申請(お食事代とお部屋代が安くなる申請)についてはこちらのブログで詳しく解説してます。

柔軟性のあるケア – 小規模多機能型居宅介護の紹介

サニーデイ

日中が心配ならデイサービス、日中や夜も心配ならショートステイ・・・

もう少し柔軟にサービスって使うことはできないの?

遠距離介護の場合、ご家族様がケアマネジャーさんとマメに連絡を取り合うことが、柔軟にサービスを決めるポイントになります。

コロン

ケアマネジャーさんとの関わり方についてはこちらのブログで詳しく解説しております。

しかし ご家族様もお仕事やご自身のご家庭のことでお忙しいと思いますので、マメに連絡を取るのも難しい場合もあります。

そこで おすすめするのが、介護保険の居宅サービスの中でとても便利なサービスである「小規模多機能型居宅介護」です。

通称「小多機」と呼ばれています。

小規模多機能型居宅介護とは?

コロン

小規模多機能型居宅介護についてはこちらのブログで解説しています。

小多機は、通所介護、ショートステイ、訪問介護が融合したサービスになります。

この3つのサービスを柔軟に使うことができるので、とても便利な居宅サービスです。

特に 遠距離介護になって、独りで暮らすご高齢の方が心配な時には、このサービスは有力な選択肢となります。

今日のまとめ – 遠距離介護の安心感を得るために

今回は同居していても、日中 独りになってしまうご高齢の方や、離れて暮らすご高齢の方の介護についてのお話でした。

コロン

ご家族様におすすめしないのは、介護離職になります。

この介護離職をしないためのアイデアのいくつかを紹介しました。

火の元の心配には・・・

日中ご高齢の方が独りになり、火の元が心配の場合、「ガスレンジの交換」をおすすめします。

サニーデイ

これに、ヘルパーさんのサービスも加えれば、遠距離介護でも安心感は上がるね。

日中の独りの時間が心配

またデイサービスを使うことで、日中独りの生活の不安を解消することができます。

ご家族様の出勤や、帰宅の時間に合わせてデイサービスを利用しましょう。

時間が合わない時には訪問介護のサービスの利用も検討した方が良いでしょう。

日中も夜間も心配

日中だけではなく 夜間も心配な場合は、ショートステイの利用をおすすめします。

ショートステイはただ預かってくれるだけではなく他の利用法もありますので詳しくは ショートステイについてのブログをご覧になってください。

またお泊りデイについても少しだけお話させていただいてます。

ショートステイやお泊りデイについては、金銭面も踏まえケアマネジャーに相談した方が良いでしょう。

柔軟に対応できる便利な居宅サービス

さらにご自宅にいながら、訪問介護、 ショートステイ、通所介護の3つが柔軟に使える小規模多機能型居宅介護(小多機)についても紹介しました。

今回ご紹介の介護保険サービスを、ご家族様の状況に合わせて効果的に利用していくことで、在宅介護に対する不安も軽減されていくでしょう。

今回のブログで、ビジネスケアラーの皆さんの気持ちが軽くなることを願うばかりです。

サニーデイ

皆さまのココロが晴れやかになりますように。

ABOUT US
福行(主任ケアマネジャー)
介護業界29年目の現役のケアマネジャーです。 介護福祉士を20年、ケアマネジャーは9年目です。
これまでのケアマネジャーの経験から、ビジネスケアラーとして遠距離介護や在宅介護を頑張る皆さま、介護保険サービスの使い方や将来の介護に不安を感じる方にブログを書いています。
ブログの内容は、担当するご家族様から頂くたくさんの質問のなかで、特によく聞かれる質問をもとに、介護保険制度やサービスの使い方について分かりやすく解説しています。