目次
はじめに
どの施設も20万以上かかると聞きました。そんなに払えないし、将来が不安です…
「かいごのともしび」では、これまで「介護保険施設」と呼ばれる、「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」を解説してきました。
しかし、現状は、サービス付き高齢者向け住宅や、有料老人ホームなどの介護保険施設ではない施設の種類も耳にするようになり、情報も混在しています。
普通の人は、分からないのが当たり前だよ。
そこで今回は、介護保険施設以外の施設の費用の中身を解説していきます。
ブログをお読みいただくことで、費用の構造が理解でき、施設を選ぶ際の心配が軽減されるでしょう。
施設の費用は月額料金だけではないの?
施設の料金はいくらなのだろう…?
そう思って、市役所などにある施設のパンフレットを見てみます。パンフレットには「月額料金○○万円(水道光熱費、共益費、食費込み)」が書かれています。
そう書いてあるなら、その金額が正規の値段じゃないの?
ですが、大事なことは小さく書かれているものです。例えばこんなことが小さく書かれています。せっかくなので、大きく書きます。
上記の料金のほかに以下の料金が別途かかります
(;゚Д゚)ナ、ナンダッテー!!
この中で、まあそうかな…と思えるものは、
- 医療費
- お薬代
- おむつ代
くらいで、他の費用はかなり「異議あり!」だよ。
小さいく書かれている施設の費用
仲介手数料・礼金
仲介手数料や礼金は「サービス付き高齢者向け住宅」に多く見られます。
その施設に直接申し込んでいるのに、どうして仲介手数料がかかるのさ!
その施設のパンフレットはありますか?パンフレットをよく見てください。もしかして、運営主体と募集・管理が委託されている法人が異なっていませんか?
もし別々の法人であるなら、この紹介手数料が発生している場合があります。
それで、「すそ野」では別々の法人なのに、じつは「てっぺん」でつながっていること(つまり、オーナーが一緒)もあります。
╮(•́ω•̀๑)╭ヤレヤレ そのうえ、礼金まで取られるなんてもったいないよ…。
「仲介手数料」や「礼金」は、返ってこないお金になりますので、これらが「ない」施設のほうがいいですね。
敷金
敷金は「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」どちらでも見られます。
ため息は続くね…。今回はこんなのばかりなの…
面白くないけど、知らなければ損することになるから、なるべく分かりやすく伝えるからね。まずは敷金からね。
敷金について。
敷金とは、退去時に原状回復費用を除き返還される費用です。
大事なのでもう一度
「敷金」とは、退去時に原状回復費用を除き「返還される費用」です!
ですので、「退去時の返還ルール」はよく確認しておきましょう。
特に、「原状回復」には注意して下さい。
原状回復には、「経年劣化の回復」は含まれていません。
どういうこと…?
借りているおじいちゃんおばあちゃんが、故意につけてしまったキズや損耗とかを復旧することで、借りる前に状態までぴっかぴかに戻すことではありません。
このことは、国土交通省の「原状回復ガイドライン」にも書かれている内容です。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
8ページあたりから参考にしてみてください。
((φ(・д・。)ホォホォ
それなら、お金が戻ってくる可能性は高いね!
ですので、「退去時の返還ルール」はよく確認しておきましょう。
生活サポート費
名前が異なる場合もありますが、「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」のどちらにも見られます。
こちらは以下のようなサービスの費用です。
まあ、必要なサービスではあるのはわかるけど、毎月支払うの?
例えば、緊急時に、急いで対応したいときに
緊急で対応したいから、生活サポート費取っていいですかー
みたいなことやってられないでしょ。だからとるのだと思うけど…
こんなことにまでお金を取るとは…
ちなみに、介護保険3施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院)では、当然「無料」のサービスです。
生活サポート費は、施設によって行うサービスが本当に異なりますので、「何を行ってくれるのか」しっかり確認しましょう。
介護保険のお金
介護保険のサービスを利用して、使った分のお支払いです。
ここで、おさらいです。
それぞれの介護区分(介護度)で、1割負担の場合、以下の金額の範囲で介護保険のサービスが利用できます(2割負担者×2、3割負担者は×3)。
- 要支援1⇒ 5,032円
- 要支援2⇒10,531円
- 要介護1⇒16,765円
- 要介護2⇒19,705円
- 要介護3⇒27,048円
- 要介護4⇒30,938円
- 要介護5⇒36,217円
詳しくはこちらのブログをご覧ください↓
ところが、多く場合、その介護度で使えるお金を全額介護保険サービスに利用するように組み込まれてしまいます。
例えば
- 併設するデイサービスを(限度額を超えても)毎日利用する
- 併設しているか、提携している訪問介護事業所(ヘルパーさんの事務所)のサービスを(限度額を超えても)使い続ける。
などが挙げられます。
(ꐦ°᷄д°᷅)ゴゴゴ そんなのひどいじゃないか!
それで、向こうの言い分は…
こちらのご入居者様にはもう少しサービスが必要で、実際、限度額(介護保険の使えるお金)からオーバーしているのですよ。
そこを、こちらとしては、ご入居者様のために、オーバーした分を泣いている(お金を取っていない)のです。
そのようなことが言うものですから、次の費用が発生してしまうのです。
福祉用具レンタル代・福祉用具購入代
こちらは、「サービス付き高齢者向け住宅」や特に「グループホーム」でよく見かけます。
でもさ、この2つの項目って、「介護保険の使えるお金」の範囲で使えるものじゃないの?
その「介護保険の使えるお金」は上の段落でどうなってましたか…?
(# ゚Д゚) アッ!
ヽ(`Д´#)ノ ワーン! 全部使われてしまったー‼
つまり、福祉用具レンタル代・福祉用具購入代は自費(10割負担)の利用になります。
以上のような費用の項目が、小さく書かれています。
注意してご確認くださいね。
つまり、施設の費用や利用料はどうなるの?
まとめますと、介護施設の費用は以下の通りです。
- 家賃・水道光熱費・共益費・食費→60,000~150,000
- 敷金・礼金・仲介手数料→0~???
- 医療費・お薬代・おむつ代・おこずかい→20,000~30,000
- 生活サポート費・介護保険のお金→15,000~50,000
- 福祉用具のお金→30,000~40,000
- その他
こちらの金額は、福行さんの経験をもとにしています。おおよその数値ですが、それほど外れてはいません。参考になる金額です。
でもさ、「その他」ってなに?
つまり、福行さんもまだわからない費用がある可能性があります。
例えば、夜間警備の呼び出し代、病院の付き添い代、入浴介助代みたいなものです。
広告を見ていると、上の図で、「家賃・水道高熱費・共益費・食費」の部分が期間限定値引きをしていることがあります。
しかし、介護施設の費用としては、見えていない部分でかかる費用がこれだけありますので、値引きだけに注目しないように注意しましょう。
ちなみに、「特別養護老人ホーム」場合、かかる費用は「介護保険の使えるお金、お部屋代、食費、医療費、薬代」になります。
特別養護老人ホームのほうが、はるかに分かりやすいね。
詳しい料金については、こちらのブログで「料金表」もつけて説明していますので、参考にしてください。
施設見学は必須です!
これまで「かいごのともしび」で取り上げてきた「介護保険の施設」とは違い、民間の有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅は、料金もサービスも本当に様々ありますので、必ず施設見学をしましょう。
おじいちゃんおばあちゃんやご家族さんの財産を守るためにも本当に必要だね。
これまでのお話を参考に、お住まいの地域ではどのような介護施設があるのか調べてみましょう。
厚生労働省のWAMnetを利用しましょう。
少し細かい設定が必要だけど、厚労省関連のサイトなので、確実ですね。
介護保険関係の情報には、行政(市町村)の情報であっても古いものが多いです。
「WAMnet」は、介護保険のサービスだけではなく、介護保険以外の様々な福祉関連の情報が盛りだくさんなので、興味のある方は調べてみてください。
WAMネットの使い方を紹介した回がありますので、こちらを参考に使ってください。
いくつか候補を決めて、見学したほうがいいね。
未届け有料老人ホームには注意して下さい
未届けの有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は存在します。
上で紹介した、WAMnetや市町村でも届け出のある老人ホームはネットで閲覧できますので、必ず確認してください。
老人福祉法では↓
老人を入居させ、食事・介護・家事・健康管理のサービスのうち少なくともいずれかひとつを提供していれば、入居者数にかかわらず有料老人ホームあたる
↑とされており、行政への届出が義務付けられています。
ご自分で調べることに不安がある方は、最寄りの地域包括支援センターやもしケアマネさんがいるなら、相談するといいですよ。
地域包括支援センターやもしケアマネジャーのアドバイスを聞いたとしても、ご自身の目で施設見学することをおススメします。
きょうのまとめ
今回は、「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」の料金のなかみについて解説しました。
費用のなかみも確認できてよかったよ。
「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」の費用は、家賃、水道光熱費、共益費、食費だけではありませんでしたね。
上記の料金のほかに以下の料金が別途かかります
途中に書いていた概算では、約65,000円~訳120,000円は隠れた費用として必ずかかります。
加えて、前払金、仲介手数料や礼金も含まれる場合もありますので、注意しましょう。
これらを踏まえてから、ご予算にあった老人ホームを見つけましょうね。
これは、入所が無理だな…
このようにお考えの方は、「かいごのともしび」では、入居費用が最も手ごろな「特別養護老人ホーム」の入所について、解説しているブログがございますので、参考にしていただければ幸いです。
さらに、もうすでに申し込んで待っていますという方は、こちらもどうぞ。
施設見学は必ず行って、あなたに合った老人ホーム見つけましょう!
皆さまのココロが晴れやかになりますように。
施設の費用は、「入居費用」のほかにかかるものがあるのでしょうか?