【大晦日に多い】高齢者がお風呂から出られなくなったときの対処法|ケアマネの実体験から
※いま、家族が浴槽から出られずに困っている方へ
無理に引き上げないでください。
一人で何とかしようとしないでください。
大げさに聞こえるかもしれませんが、
これは「介護の問題」ではなく、命に関わる緊急対応が必要な状況です。
まずは落ち着いて、
次の「もし浴槽から出られなくなったら」を読んでください。
もし浴槽から出られなくなったら
1.一人でなんとかしようとしない
「恥ずかしい」「こんなことで救急車を呼んでいいのか」
そう思ってしまう方はとても多いです。
ですが、命に関わる可能性があります。
他のご家族がいない場合は、
絶対に「自分一人で何とかしよう」と考えないでください。
家族・ご近所の方・知人など、
ほかの人の力を借りることが何より大切です。
もし誰も呼べない状況なら、
ためらわずに救急車を呼ぶことも選択肢のひとつです。
2.入浴者の体調をしっかり確認する
入浴時間が長くなっている場合、
- 低血圧
- 脱水
- のぼせ
が起きている可能性があります。
声をかけながら意識の確認をし、
可能であれば水分補給を行ってください。
3.お湯を抜き、身体を温めながら待つ
周囲に誰もいない、
すぐに助けが来られない場合は、
無理に出そうとせず、まずお湯を抜くこともひとつの方法です。
- バスタオルで身体を拭く
- 浴槽の水気を取る
- 可能なら服を着せる
- 髪も拭き、身体を冷やさないようにする
温かく保ちながら、助けを待ってください。
今まさに困っている方は、
ここまで読めば十分です。
私が実際に経験した「お風呂から出られない」ケース
1.浴槽内で立ち上がれなくなる
私がケアマネジャーとして担当していた方の中に、
普段はデイサービスやヘルパーの支援がないと
一人での入浴が難しい方がいらっしゃいました。
しかし大晦日に、
「家のお風呂で身体をきれいにして新年を迎えよう」
と思い立ち、一人で入浴。
結果、湯船から立ち上がれなくなり、
高齢の奥様だけではどうにもならなくなった、
というケースがありました。
2.助けようとした家族がケガをする
さらに多いのが、
助けようとした家族が腰を痛めてしまうケースです。
力任せに引き上げるのは非常に危険で、
お互いに大ケガにつながります。
お風呂から高齢者を一人で脱出させるには、
熟練した介護技術が必要です。
実際に私は、
無理に引き上げようとして
手伝った人まで大ケガをし、
どちらも介護が必要になってしまった
という事例を複数回経験しています。
なぜ「大晦日」に起きやすいのか
1.「きれいな身体で年を越したい」という思い
年末は、
「せめて大晦日だけは入浴したい」
と無理をしてしまう高齢者がとても多いです。
2.年末の忙しさで気づきにくい
大掃除や正月準備で慌ただしく、
- 手伝いを頼みにくい
- 異変に気づくのが遅れる
という状況も重なります。
年末年始に向けて準備しておきたいこと
1.「大晦日は無理しない」と事前に伝える
離れて暮らす家族には、
あらかじめ声かけをしておきましょう。
入浴する場合は、
- 誰かがそばにいるとき
- ヘルパーが来られる日
に調整するのがおすすめです。
2.緊急時の連絡先を確認しておく
年末年始は事業所が休みに入ることも多いため、
- ケアマネジャー
- ヘルパー事業所
- 緊急時の対応方法
を事前に確認しておくと安心です。
おわりに
大晦日は「1年の締めくくりだから」と、
いつも以上に頑張りたくなる日です。
ですがその頑張りが、
大きな事故やケガにつながることがあります。
ここに書いた対応は、
私がケアマネジャーとして現場で実際に伝えてきた対応です。
どうか、
- 無理をしない
- 一人で何とかしようとしない
この2つを忘れないでください。
皆さまが、
安心して年末年始を迎えられますように。
どうぞ良いお年をお迎えください。








