はじめに
介護保険サービスを利用し始めると、本当にたくさんの人が来て、契約を取り交わします。
そのたくさんの方々が、それぞれ「お名刺」を置いていきます。例えばこんな感じ↓
( ˙ㅿ˙ )ポカーン たくさんの資格が載っている…
資格がどれくらいすごいかよくわからないけど、とにかくすごい自信だ…
今回はこの「よくわからないけど、よく聞く資格」についてのお話しです。
ブログをお読みいただくことで、介護業界のよくわからない資格がわかるようになります。
たくさんの資格=達人なの?
たくさん資格があるのだから、きっとすごい人なんでしょう⁇
それでは、ジャンルを変えて、シェフで考えてみましょう。
例えば、このような2人のシェフがいたらどう思います?
私は、和食一筋で腕を磨いた料理人です。
私は、和食のほかに、中華やフレンチも得意な料理人です。
サニーは、もし和食が食べたいなら、どちらのシェフのお店に行きますか?
ええっ…⁉
シェフAのお店かな…
どうしてそう思ったの?
Aシェフは和食一筋だから、和食が食べたいなら、そっちかなと思った。
Bシェフの場合はさ、もしかして…
実は中華のほうが得意なんだよね。(ノ≧ڡ≦)てへぺろ
なんて言われるかもしれないでしょ。
この例と同じように、
たくさんの資格=何が得意なのかよくわからない
という見方もできます。
「たくさんの資格=すべて達人」とは限りませんので注意しましょう。
たくさんの資格が活きる場合
でも、そんなこと言ったらたくさん資格持っている人が気を悪くするんじゃないの?
聞き方によっては、もちろんたくさん資格を持っている人のほうがいい場合もありますよ。
さっきの2人のシェフの例に戻れば、この質問はいかがでしょう?
あなたは料理の初心者です。もし料理を広く習いたいならどちらのシェフを選びますか?
あっ‼ この場合はシェフBを選びたくなるよね!
介護の資格にはなにがあるの?
介護の資格なら、介護のプロである「介護福祉士」は有名だけど、他にどんな資格があるの?
介護の資格には、「介護福祉士」のほかに以下のようなものもあります。
- 介護職員初任者研修修了
- 介護職員実務者研修修了
あれ?
「ホームヘルパー1級」とか「ホームヘルパー2級」の資格ってなかったっけ?
今はね
「ホームヘルパー2級」→介護職員初任者研修修了
「ホームヘルパー1級」→介護職員実務者研修修了
みたいな感じで変わっています。
この資格の読み替えは、厳密には正確ではありませんが、分かりやすさ重視の観点から表現しております。
「研修修了」って資格なの…?
「研修修了」って資格なの?
名前は資格っぽくありませんが、「初任者研修修了」がないと、介護保険制度上「ホームヘルパー」として働けません。
同じように「実務者研修修了」がないと、介護保険制度上ホームヘルパーの主任資格である「サービス提供責任者」にはなれません。さらに…
「介護福祉士」になるためには、「実務者研修修了」は必須条件のひとつになります。
初任者研修や実務者研修を修了するのは大変なことなの?
あくまで、「研修」ですので、ところどころ単元テスト、受講する学校によっては修了試験はあります。
試験は難しくありませんし、基本的には時間をかければ、修了は可能です。
資格を取るにあたって、介護職員初任者研修を飛ばして、いきなり「介護職員実務者研修」受講することも可能です。
そんなことしたら、大変じゃないの?
たしかに、初任者研修修了→実務者研修へ行くコースよりも心理面でのハードルは高いです。
ですが、受講料としては、いきなり実務者研修を受けたほうが、研修を1回受けるだけなので、少し安く済みます。
介護福祉士とは
介護福祉士は、介護の国家資格です。国家試験を合格しないと得られません。
介護福祉士国家試験は、介護の実務経験は3年以上、介護職員実務者研修修了の条件を満たして、受けることができます。
介護福祉士(社会福祉士、精神保健福祉士もそうですが)は、「名称独占」といいまして、資格を持つことで、特殊な技能ができるわけではありません。
…?
つまり、「わたしは介護福祉士です」と言えるくらいってこと?
介護は誰にでもできるものですので、「介護福祉士だけが許される介護」というものがそもそもないのです。
だからこそ、ご家族様や他の職種の方々から
「介護が上手ですね。さすが介護福祉士!」
と言われるくらい、腕を磨く必要がありますね。
介護福祉士の教科書的な説明は割愛します。
他の福祉士さんも見ていきましょう!
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ほかの「福祉士」さんたち
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神障害のある人やそのご家族様に、相談や援助の支援を行う専門職です。
精神保健福祉士さんは、精神科のある病院や保健所などの「相談員」さんとして活躍されていることが多いです。
社会福祉士
社会福祉士は、「福祉関連」のさまざまな相談に応じ、助言や様々な関連機関と連絡調整して、連携を図る専門職です。
社会福祉士さんは、市区町村役場、福祉事務所、社会福祉協議会、病院、介護保険施設、地域包括支援センターなどなど、様々な福祉関連の場所に「相談員」さんとして活躍されています。
「相談員」について
福祉関連や医療関連においてよく耳にする役割に「相談員」というものがあります。
でも、今までの説明では、精神保健福祉士さんや社会福祉士さんが「相談員」さんなんだよね。
その通り。「相談員」さんの持っている資格は今説明した、2つの福祉士さんに代表されます。
ここでは、介護保険の中で、よく聞く相談員はどのような役割なのか見ていきましょう。
これからご紹介するのは、介護保険サービス上でよく耳にする「相談員」です。
「福祉」という大きな枠で捉えれば、障がい者、子ども、女性、地域福祉、行政などなどの分野で様々な「相談員」がいらっしゃいます。
病院の相談員
病院にいる「相談員」は「メディカルソーシャルワーカー」ともいいますが、普通に「相談員」と呼ばれています。
「メディカルソーシャルワーカー」なので、「MSW」と(呼ばれることはありませんが)省略されている場合があります。
その、えむえすだぶりゅーはさ、何の相談に乗ってくれるの?
(#°Д°) だから、そうは呼ばれないんだって!
病院の相談員は「地域連携室」とか「医療連携室」、「地域医療相談室」などのような(似たような)名前の部門に在籍しています。
病院の相談員の役割は…?
役割としては、地域住民や、介護保険のサービス事業所、病院をご利用されている患者さんに受診や入院の相談。入院患者の退院の相談、介護保険サービスの相談などを行います。
病院に入院していて、急に先生から退院の話を出されてもどうしてよいかわからなかったり、困ってしまったときにはぜひ利用してください。
どの病院にも必ずいる人たちなの?
大きい病院には必ずいます。
中規模の病院では、たまにいない場合があります。
小規模の病院だと、まだいない場合が多いかもしれません。
いない場合は誰に相談すればいいの?
病院であれば、病棟の看護師さんか、病院によっては「退院調整」を担当する看護師を配置しているところもあるので、その様な方々に相談します。
すでに介護保険のサービスを使っているなら、ケアマネジャーさん。
介護保険のサービスをこれから使うことになりそうなら、地域包括支援センターの職員さんに相談し見ましょう。
介護保険施設の相談員
特養の相談員さん
特養にいる相談員さんは「生活相談員」と呼ばれています。
どんな役割があるの?
施設の入所、退所の調整役、施設入居者のご家族様への連絡や相談役、地域の方々と施設のつなぎ役、ショートステイの利用調整役、他の事業所への営業活動などなど、主に施設の外交関係でのスポークスマンのような役割を担います。
施設のケアマネさんとは違うの?
たしかに、施設のケアマネさんも、ご家族様への相談や連絡調整も行いますが、相談員さんのほうが、契約や地域のつなぎ役などの介護保険以外での役割、他の業者への営業など入居者との関わり以外のことが多いです。
生活相談員さんも社会福祉士や精神保健福祉士のしかくをもっているの?
精神保健福祉士はあまり見ないけど、
社会福祉士
社会福祉主事任用資格
5年以上の経験のある介護福祉士
の方々が相談員さんになっているね。
社会福祉主事任用資格…?
また知らない資格が出てきた…
社会福祉主事任用資格ってなに?
社会福祉主事任用資格は、もともと福祉事務所などでお仕事をされる方が必要な資格です。
つまり、行政でお仕事をする公務員さんに有効な資格です。
ですが、専門学校に通ったり、大学で特定の3科目を受講すればとれる資格のなので、結構多くの方が持っています。
特に文系の大学の場合は、資格取得に必要な勉強もなく、「履修科目を確認してみたら、実は取れてました」という場合が多いです。
たまに、介護サービス事業所(デイサービスなど)でも営業に来られた方の名刺を見てみると、名前の上に「社会福祉主事」とだけ記載されている名刺を堂々と出す方がいます。
もともと、公務員の資格だから、公務員でもない人が「社会福祉主事」と名乗るはおかしいことなんだね。
少し話は外れましたが、相談員になるためには「社会福祉主事任用資格」は必要な資格のひとつになっています。
他の施設の相談員
介護保険の他の施設(介護老人保健施設、介護医療院)にも相談員はいますが、「生活相談員」ではなく、「支援相談員」と呼ばれています。
呼ばれ方は異なりますが、役割はほとんど一緒です。
他にもたくさんの民間資格が…
介護業界にはほかにもたくさんの民間資格があります。
福祉用具業者さんの資格
その中でも、福祉用具の業者がもつ以下の2つは、よく見かけます。
- 福祉用具専門相談員
- 福祉住環境コーディネーター2級
あれ、また「相談員」なんだね。
福祉用具専門相談員さんは、福祉用具のレンタルの営業の方は、ほぼ全員持っている資格です。
福祉住環境コーディネーター2級は、どちらかと言えば、ケアマネさんにとってありがたい資格になります。
ケアマネジャーがご利用者様から「住宅改修」を依頼された場合、市区町村役場に届けを出す住宅改修の書類のひとつに「理由書」という書類があります。
福祉住環境コーディネーター2級を持っていると、ケアマネさんの代わりにその理由書を書くことができます。
つまり、ケアマネさんの書類作成の手間が一つ減らせるんだね。
ケアマネさんは、作成する書類が多いから、それは助かるね。
「福祉用具専門相談員」も今後介護保険制度のなかで、「連携が重要視」される資格です。
今後は福祉用具専門相談員さんの実力アップ重要になるね。
その他にもたくさんの資格があります
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その他にも、福行さんも(不勉強もありますが…)知らない様々な介護の民間資格があります。
介護の魅力をいろいろな側面からアプローチしているんだね。
資格は取って終了ではありません。
様々な資格をお持ちになりましたら、ぜひどんどん活用していきましょう。
その資格のプロフェッショナルになって、新しい介護を拡げてくださいね。
きょうのまとめ
今回は介護業界でよく目にする資格や役割について解説しました。
「介護」の関する資格
介護のプロ、介護に関する資格には
- 介護職員初任者研修修了
- 介護職員実務者研修修了
- 介護福祉士
この3つを取り上げました。
研修修了はその名の通り、研修を修了することができればまらえる資格です。
「介護福祉士」は実務経験3年と実務者研修修了の条件を満たさなければ、国家試験を受けることができません。
その他の「福祉士」
その他にも社会福祉士、精神保健福祉士という資格がありました。
どちらも国家資格で、
精神保健福祉士は主に精神科や精神科病院の相談員。
社会福祉士は福祉の幅広い分野の相談員。
として活躍しています。
「相談員」には何を相談するの?
病院を「受診したい」。または、入院中の患者さんが「急に退院」と言われた。
病院にかかわる困りごとは、病院にある「地域医療連携室」にいる「相談員」に相談してみましょう。
受付で「相談員と話がしたい」と言えばつないでくれます。
相談員がいない病院の場合はどうするの?
例えば
- 病棟の看護師に相談する
- 病院の受付に相談する
- (介護認定をすでに受けていれば)ケアマネジャーに相談する
- (介護保険も何も受けてない場合は)地域包括支援センターに相談する。
などがあります。
介護保険施設、デイサービスにいる相談員には何を相談するの?
その施設やそのサービスを受けたいなら、「どうすれば入所できるか?あるいは、そのサービスを受けられるのか」を聞いてみましょう。
利用しているときの困りごとや、利用しているときの様子などいろいろ聞いてみてください。
分かりにくい制度なので…
介護保険制度は分かりにくい部分が多いです。
分からないことは「有資格者」に相談しながら、良い選択をしていってください。
皆さまのココロが晴れやかになりますように。
聞くだけで大変そう…