はじめに

「ありがとう」
その一言を聞くだけでも、
「次も頑張ろうかな」
と思う気持ちが出てきます。
しかし、この「感謝の魔法」を伝えられないこともあります。
しかし、介護は続いていきます。
「ありがとう」も言われず、報われないと感じる介護。
「私は何のためにこんなことをやっているのだろうか?」

いつ終わるかわからないけれど、続けて行かなくてはならない状況。
「今やってることって何か意味があるのかな…?」
今回は、このような先の見えない暗くて不安な状況に、一筋の光が差し込めればと思い書きました。
この記事は、主任介護支援専門員の資格を持つ現役ケアマネジャーが執筆しています。在宅介護でお悩みの方に信頼できる情報をお届けすることを目的としています。
第1章 介護の中で感じる「むなしさ」
介護の始まりは突然やってきます。
高齢の方が急に病気で倒れ、家族は…
「せめて命だけでも助かってほしい」
と切に願います。

一命を取り止め、安堵しているのもつかの間、医師からは
「今後は介護が必要になるでしょう」
と話があり、これまでの安定していた生活が急に変化していきます。
- 家族関係の変化
- 働き方の変化
これらを介護のために変化させなくてはいけません。
その方のために一生懸命になっているのに、
「ありがとう」
さえもないのであれば、報われない気持ちになって当然です。

一言も感謝も言われないなら、やってられないよ・・・(;_;)
なぜ「ありがとう」と言われないのでしょうか?
もしかすると以下のようなことがあるかもしれません。
- 親子関係や嫁姑関係
- 失語症など話をする能力を奪われている
- 認知機能の低下によって、感謝どころか意地悪をされていると勘違いをしている。
在宅介護で、感謝もなく続けていけば、虚しさと孤独を感じてしまいます。
しかし、
「私は頑張らなくてはいけない」
「私が崩れてはいけない」

新しく打つ手はなく、ひたすら頑張り耐え続ける。そんな日々がいつまでも続くと感じてしまいますよね。
でも、あなたは感謝されていない存在なのでしょうか?
あなたの頑張りは報われていないのでしょうか?
人生に意味があるなら、苦しみにも意味があるはずだ。
ヴィクトール・E・フランクル
第2章 それでも、あなたの声は届いている

人生の終わりを迎える人は、感謝の言葉を言うことなく旅立っていきます。
残された側は
「これで良かったのかな…」
「何か悪いことをしたんじゃないかな…」
と、黙って立ち去られた分、心はモヤモヤです。

「言葉」で言われれば、わかりやすいですね。
でも、言葉で伝えられない人も実はちゃんと表現している方は多いものです。
ですが、その前に、あなたの「声」はその方に届いているのでしょうか?
介護をして思うことは、声掛けは伝えないと伝わらないということです。
人を動かすものは真心である。真心があれば人は動く。
松下幸之助
声かけの大切さ

声掛けは伝えないと伝わらないって・・・
何を言っているの?
と思うかもしれません。
ですが、これができていない人は意外と多く、介護のプロである介護職員でも一流になるかどうかのポイントにもなる部分です。
これから「あなた」に関わりますよ、という意識付けが大事になります。
例えば、介護を受ける方の「眼」を見てください。
あなたをちゃんと見ていませんか?
あなたが動けば、その方の眼も追いかけていませんか?
話すことはできなくても、その方はあなたにちゃんと意識を向けてくれているのです。
介護の技法に「ユマニチュード」というものがあります。
ユマニチュードの基本のひとつに「見る」というものがあります。

介護を受ける高齢の方にしっかりと見てもらい、(介護する人の)存在を確認してもらうことが介護の導入部分で行います。
それから声掛けを行います。
介護を受ける方がわかるようなスピードや大きさで声をかけます。
その時の表情や、身体の動きをよく観てみましょう。
「はい」のときと「いいえ」のときで違いに気づくはずです。
あなたの声はちゃんと届いているのですよ。
大きなことはできなくても、愛をこめた小さなことなら誰にでもできる。
マザー・テレサ
第3章 「ありがとう」は言葉だけじゃない

声かけし、介護を一生懸命頑張るあなたに、なぜか大変な介護が多く当たってしまう。
- 排泄介助で、毎回トイレへの希望が多くなることや、排便に当たってしまうことが多くなること。
- 比較的、利用者の最期の場面を見つけてしまうこと。
- 「家族にお願いするから」と言ってなかなか外部のサービスを入れてくれないこと。
- 家族の作ったものしか食べたがらないこと。
介護職員も家族も、その状況下なら本当に迷惑に感じます。

それはそうだよ。
普通に嫌だよ・・・
ですが、こう考えてはどうでしょう。
あなたの介護が本当に安心できるから排泄をお願いしたい、最期のときを選びたい。
家族のあなたに介護をお願いしたい、あなたのご飯なら食べられる。
これらは口にしたところで、表現しきれないかもしれません。
でも、あなたがいるから、安心できるから、その介護を受ける人は、その人らしさを出していられるのです。
ここでのその人らしさが、「排泄」であったり、「最期」であったり、「食事の好き嫌い」とかしか残っていないかもしれませんが、あなたのおかげで表現できるのです。
そう思うと、迷惑にも感じる大変な介護は、感謝の勲章のようにも感じることができるのではないでしょうか?
優しさは、見返りを求めないからこそ美しい。
美輪明宏
第4章 介護を続けるあなたへ ― 自分を責めないで


いや、そうは言ったって、お気に入りの人に、いちばん大変な思いをさせるのは、ひどい話だと思うけど…

確かに、大変だよね。
でも、お気に入りじゃない人に大変な思いをさせたらどうなりますか?
お気に入りじゃない人はますます嫌になるし、もしかすると悪口を言ったり、しっかり介護をしなくなるかもしれません。
それでは、お互いに怒りなどのネガティブな感情になるでしょう。

だからといって、毎回一生懸命に介護している人ばかりが、つらい思いをすることになるし
報われない気持ちがさらに強くなるんじゃないの?
もし「ありがとう」など感謝の言葉もなく、介護のたびに大変な思いをして、もし大変だなと感じるのであれば、その介護を頑張る人は報われないと感じるかもしれません。
このように考え始めてしまうと、自分の存在さえ何だったのか、「何のために生まれてきたのかな…?」というところまで追い詰められてしまうかもしれません。
介護を続けていくうちに感じる虚しさや自分の生きる意味の喪失感を、もしあなたが感じてしまうなら、まずお伝えしたいことは、
あなたの人生は、あなたのものである
ということです。
しあわせは いつも じぶんの こころが きめる
相田みつを
第5章 かいごのともしびとして伝えたいこと


でもさ、介護を続けなくてはならないんだよ。
どうすればいいのさ…?
この状況で「変えられるもの」は何でしょうか?
それは「あなた自身」です。
介護を頑張りすぎると、どうしてもあなたの視野は「介護」ばかりを見てしまいます。
たしかに介護はこれからも必要でしょう。
ですが、もっと視野を広げてみると、あなたの一日は介護ばかりでなく、必ず「自分の時間」があるはずです。
そこは、あなただけの大切な時間です。
その時間で、いつの間にか置き去りにしたあなたを取り戻してください。
どんな悲しみも必ず時が癒してくれる。静かに受け入れれば道が開ける。
瀬戸内寂聴
そんな自分、いたかな…?
はい、います。


(-_-;)「だから、そんな時間がないんだよ!あったらとっくにやっているよ!」
という声が出るかもしれないよ。
ですが、やる人というのは、どんな状況でもすでにやっています。
「時間があればやる」というのはやらない人の言い訳なのです。
とはいえ、やっぱり時間がなかなか作れない人もいますよね。
そのために、この「かいごのともしび」があります。介護をがんばる人を応援するために。

「かいごのともしび」には、サービス利用のコツが満載です。
これまでの介護の経験をもとに書いているため、生きたコツが満載です。
これらをうまく活用していけば、あなたの時間を確保できることにつながり、あなたを取り戻していくことができるでしょう。
他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。
斎藤茂太
おわりに

- 毎日変わり映えもせずに繰り返される介護。
- 「ありがとう」という言葉もなく、頑張る意味も削ぎ落とされるような介護。
このように考えていては、本当に苦しさしかありません。
このブログも、介護を暗闇を目的もなく進む航海に例えているところからの始まりでした。
だからこそ私は、皆様が道に迷わぬように「かいごのともしび」を灯し、不安な航路を安全に進んでもらいたいと願っています。
この状況で変えられるのは「あなた自身」です。
視野を広げて、自分のやりたかったことに手を差し伸べてください。
輝きをもどすあなたを、大切な人が待っています。

介護を受ける人も、言葉には出さないかもしれませんが嬉しいはずです。
「ありがとう。いつもすまないね。」
と思うはずですから。

介護をがんばり、輝くあなたになるために、これからも「かいごのともしび」を灯していきます。

介護をがんばる皆様のココロが、晴れやかになりますように!
参考文献・出典/信頼性の担保について
- 厚生労働省『市町村・地域包括支援センターによる家族介護者支援マニュアル~介護者本人の人生の支援~』(平成30年3月) – 家族介護者(ケアラー)支援のガイドラインを示した厚生労働省作成のマニュアル。
- 公益社団法人 認知症の人と家族の会『認知症の人の家族の思いと受けている支援に関する実態調査報告書』(2022年) – 認知症の人を介護する家族の孤独感・負担感や支援の実態をまとめた調査報告書。
- 医療法人丹沢病院「家族の認知症のケアにおける5つのポイント」(2024年) – 認知症高齢者を介護する家族が直面する心理的負担や、感情表現の困難さに関する専門医監修の記事。
- 日本ユマニチュード学会(公式サイト)「ユマニチュードとは」 – フランス生まれの認知症ケア技法「ユマニチュード」について解説する公式ページ。見る・話す・触れる・立つの「4つの柱」によるケア哲学(「人間らしさを取り戻す」という意味)を説明。
- ヴィクトール・E・フランクル(著)、霜山徳爾(訳)『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』みすず書房、1956年 – フランクルの著書。“人生に意味があるなら、苦しみの中にも意味があるはずだ”という名言の出典。ナチス収容所での極限体験から人生の意味を綴った名著。
- マザー・テレサ(著)、ホセ・ルイス・ゴンザレス・バラド(編)、渡辺和子(訳)『マザー・テレサ 愛と祈りのことば』PHP文庫、2000年 – マザー・テレサの語録集。“大きなことはできなくても、愛をこめた小さなことなら誰にでもできる”という言葉が収録された書籍。
- 相田みつを『しあわせはいつも』文化出版局、1995年 – 詩人・書家である相田みつをの作品集。「しあわせは いつも じぶんの こころが きめる」で知られる詩が掲載されている。
- 瀬戸内寂聴『生きる言葉 あなたへ』光文社文庫、2009年 – 瀬戸内寂聴による人生訓のエッセイ集。“どんな悲しみも必ず時が癒してくれる。静かに受け入れれば道が開ける”といった励ましの言葉が述べられている。
- 斎藤茂太『会社・仕事・人間関係で「もうダメだ!」と思ったとき読む本』あさ出版、2006年 – 精神科医・斎藤茂太(モタさん)によるメンタルアドバイス本。“他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる”という前向きな名言の出典資料。
- 美輪明宏『花言葉』パルコ出版、2010年 – 美輪明宏の語る愛と人生の格言集。“優しさは、見返りを求めないからこそ美しい”といったメッセージが含まれ、人生の指針となる言葉をまとめた一冊。
- 松下幸之助『指導者の条件―人心の妙味に思う』PHP研究所、1975年 – 松下電器創業者・松下幸之助によるリーダー論。“人を動かすものは真心である。真心があれば人は動く”との名言が記されている著作。
※本記事の各記述は、ChatGPT4.1のDeep Research機能と公的情報源とのクロスチェックにより、内容の正確性・整合性を確認しております。
おまけ(本編とは関係ありません)

嬉しいことに、相互リンクをいただきました(^o^)

最終章が始まって、幸先が良いね。
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